各地域には、それぞれ偉人といわれる方々がおられます。
鹿児島であれば、西郷隆盛、
愛知であれば、徳川家康、
そして、土佐高知と言えば、坂本龍馬です。
しかし、土佐の坂本龍馬押しは、ちょっと他の地域とは違っていると思います。
何かのテレビでやっていましたが、誰に聞いても「坂本龍馬」と帰ってくるのですが、他の地域では、それぞれ、「大久保利通」「豊臣秀吉」など複数回答があるのですが、土佐は、龍馬一色です。
これは、私の勝手な想像ですが、土佐の人たちからしても坂本龍馬という人物の「イメージ」がとても受け入れやすい人物像なんだと思います。
基本的には、司馬遼太郎の「坂本龍馬」のイメージが強いと思いますが、土佐の人たちには、あの、人懐っこい、愛嬌が有りながらも有言実行、苦難に打ち勝ちながら、非業の死を迎えた地元ヒーローに自分を投影しやすいと思います。
土地柄としては、戦国のころであれば、「長曾我部元親」や「山内一豊」、維新の頃であれば「板垣退助」や「武市半平太」などもいるのですが、あまり名前を聞きません。
確かに、その他の偉人たちも素晴らしいのですが、戦国の頃であれば、征服者と被征服者の関係となり、お互いに思うところがあります。
また、維新の頃であれば、薩摩や長州に一歩も二歩も遅れたイメージがあり、龍馬のおかげで薩長土肥などと言われていますが、先駆者のイメージがありません。
その点、龍馬は、元々藩を見限り、「日本人」として行動しています。
これは、藩を単位に行動している他の志士とは異なります。
一番近いところでは、幕臣でありながら幕府の崩壊も辞さなかった勝海舟が近いのですが、龍馬異なり、それでも徳川家に対する気持ちを持ち続けていました。
言ってしまえば、非常に現代の感覚に近いのだと思います。
土佐の人は、もっと龍馬を押してゆくべきです。